内分泌疾患について

内分泌疾患と言われても、なかなかイメージできないのではないかと思います。主な内分泌障害としては、次のようなものがあります。

副腎皮質機能低下症

これは、甲状腺の構造的・機能的な異常によって、甲状腺ホルモンの生産が不足することで起こる病気です。普段は見られないようなぐったりする様子が見られたり、嘔吐、体重減少、全体的にむくんでいる、脱毛などの皮膚病、無気力な状態がある場合には要注意です。ただし、この症状だけでは判断することは難しく、定期健診で行う血液検査などで異常が見られることの方が多いです。

重篤な状態になると、低血糖や不整脈などが起こって命の危険もあります。「明らかに元気がない・食欲がない」「下痢が治らない」などの症状が見られるときは、すぐにお問合せください。

副腎皮質機亢進症

この病気は、クッシング症候群と呼ばれます。副腎皮質ホルモンの過剰分泌によって起こり、多飲多尿や腹部膨満、毛ヅヤが悪くなることが特徴です。なお、明らかな症状が見られず、定期健診などで行う血液検査で初めてわかることもあります。

この病気の合併症としては、全身性高血圧や膀胱結石、うっ血性心不全、糖尿病などが起こることもあり、命に関わる可能性もあります。定期健診を積極的に受けていただくことで、早期発見・対処することができます。

「飲水量が多くなり、おしっこの回数が増えている」「お腹がぽっこりしてきた」「体の両側の毛が抜けてきた」など、目に見えて変化があった場合にはすぐに受診しましょう。

甲状腺機能低下症（ワンちゃん・猫ちゃん別）

甲状腺機能低下症は、ワンちゃんとネコちゃんで少しずつ症状が違います。それぞれの特徴や注意点は次のとおりです。

ワンちゃんの場合

甲状腺ホルモンが不足すると、元気がなくなったり活動性の低下、体重増加、その他の皮膚病や外耳炎、左右対称な脱毛などの症状が見られるようになります。

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンが不足することによって起こります。不足する原因は、甲状腺そのものや脳が原因である可能性があります。

治療法は、薬などによってホルモンを補充してあげることが重要になりますので、治療を始めてから数週間から数ヶ月をかけてじっくり行い、定期的な血液検査などによって改善具合を確認しつつ、薬の量を調整していきます。

ネコちゃんの場合

長く健康に過ごすためには避けて通れない

上記のような病気を防ぐための内分泌検査は、生体のあらゆる機能を保ち、エネルギー代謝や発育と成長などの生命活動に必要なホルモンを検査するものです。

こういった症状には注意しましょう

など

こういった症状が見られる場合には、ホルモンに異常がある可能性があります。こういった場合には、内分泌検査をしっかりと受けた方が良いでしょう。

ウチの子は大丈夫！は要注意

ワンちゃんやネコちゃんは、私たち人間よりもはるかに早く歳をとります。そのため、できるだけ毎年、シニアになれば年に数回は健康診断を受けることをオススメしています。

「ウチの子は大丈夫」という考えはとても危険です。意識的に検査を受けて、末長く健康な生活を支えてあげましょう。