コラム
実は大変!ワンちゃんの皮膚病に気をつけよう
ワンちゃんは体が毛に覆われている分、皮膚はとても繊細です。繊細であるということは、それだけトラブルが多いということであり、犬種によっては治療や完治そのものが難しいケースがあります。
今回は、ワンちゃんの皮膚病で気をつけるべきことやトラブルの例について解説します。
皮膚の関するトラブル例
ワンちゃんの皮膚は、トラブルによってバリア機能が低下して悪化するという悪循環になることがあります。トリミングや日々の生活で異変が見つかった場合には、早めに相談すると良いでしょう。
皮膚のトラブル例
①毛が抜ける
動物には、「かゆみを我慢する」という概念がありません。痒いと感じたら様々な場所で自分の体を擦ったりして皮膚を傷つけてしまいます。皮膚をかき続けると毛が抜けたり皮膚が弱くなるため、トラブルに気づいたり症状が悪化することにつながります。
また、内分泌疾患によっては痒みがなくても脱毛することがありますので、毛の抜ける量が異常であると感じた場合には、すぐにかかりつけの動物病院にいくようにしましょう。
②カサブタやフケが多くなる
皮膚にトラブルが起こると、皮膚をかきむしってしまうことで出血が起こったり、皮膚に水疱や嚢胞が形成されることがあります。この水疱や嚢胞はやがてカサブタになります。健康なワンちゃんであれば3週間で皮膚のターンオーバーが起こるので、古くなった皮膚の細胞がフケとして剥がれ落ちますが、トラブルが起こっている場合には3週間という周期に関係なくフケが目立ちます。
③皮脂や毛があぶらぎってしまう
皮膚のトラブルの一つとして、「脂漏症」が起こることがあります。脂漏症は、皮脂の過剰分泌や成分バランスが崩れることでベタベタしてしまう症状のことで、また、皮膚に生息している菌のバランスが崩れて炎症が起こったり、皮膚のターンオーバーが短くなってふけが増えることにつながります。
皮脂の分泌は、犬種や季節、ホルモンバランス、フードの影響を受けるため、日頃からスキンケアを心がけましょう。
④かゆがる仕草が多くなる
前述した通り、ワンちゃんは「痒みを我慢する」という感覚がありませんから、痒いところは自分で引っ掻いたり舐める、噛む、壁や床に擦り付けるといった仕草が増えます。また、痒みはストレスの原因となったり皮膚を傷つけて炎症を誘発します。そのため、皮膚病が悪化する原因ともなるのです。
⑤発疹が出る
皮膚のトラブルが起こると、発疹(皮膚にニキビのようなブツブツした隆起)ができることがあります。場合によっては水疱や嚢胞の可能性もあるため、少しでもそういったものが見つかった場合には早めに対処するようにしましょう。
また、発疹をきっかけに次のような病気が起こる可能性がありますので、注意が必要です。
・皮膚糸状菌症
・ニキビダニ症
・膿皮症
・ノミアレルギー性皮膚炎
全て、日頃のケアやトリミング、健康診断などがきっかけとなって見つかるケースがありますから、意識的にチェックしておきましょう。