メタボは万病の元。肥満だと骨格に負担がかかって、椎間板ヘルニアや関節炎を発症するリスクが高まります。
食事内容や食欲、運動量が変わっていないのに大幅に体重が増えている場合は、ホルモン異常などの病気の可能性もあるでしょう。

減量の仕方もワンちゃんネコちゃんの種類や年齢によって変わります。
ご家庭での食餌管理や体重管理が不安な場合は、ダイエット外来を利用しましょう。
では、ダイエット外来って、具体的には何をしてくれるのでしょうか。
その内容を解説していきます。

BCS（ボディコンディションスコア）の測定

体重計測は手軽な健康チェック法ですが、体格や筋肉のつき方によって、適正体重は変わってきます。
そこで、ダイエット外来ではBCS（ボディコンディションスコア）という環境省指導の指標を使って、肥満度を判断します。

顎や首周り、肋骨、お腹などの脂肪のつき方や腰回りが切れ上がっているかどうかを確認して判断するBCS。飼い主さんの主観的な視点ではなく、いろいろなワンちゃんやネコちゃんを見てきた獣医師の視診と触診により判断されます。血液検査・健康診断、BCSを総合的に考慮して診断してもらいましょう。

専門家による栄養管理

急激な食餌制限をしてしまうと栄養失調や病気になってしまう可能性があるため、目標体重を設定したダイエットプランニングが必要です。まずは1日分のフードとおやつを持参し、内容をチェックします。

ただ単に量を減らすだけでは、ストレスが溜まってしまいます。ダイエットの結果、身体を形作るタンパク質などの栄養素が欠乏してしまうと筋肉量が減り、元気がなくなっては元も子もありません。栄養状態と減量のバランスをとるには、栄養学の専門的な知識が必要です。どんなフードを選び、1日何回、何グラム与えるのか？など、細かい食餌のスケジュールを作成してくれます。

手作りフードでのダイエットは特に、栄養学の知識がないと逆効果になる場合も。ワンちゃんやネコちゃんの健康を守るダイエットメニューは、専門家の指導を受けたほうが安心でしょう。

スタート時のダイエットプランに加え、定期的な経過観察もダイエット外来のメリットです。その都度、減量のペースや体脂肪、体重をチェックしながら、安全に食餌管理が進められます。

運動器具を使ったエクササイズ

太りすぎかなと思う愛犬愛猫には運動が必要。でも、太り過ぎている子は、毎日の散歩でも坂道を嫌がるワンちゃん、キャットタワーの上の方にはいかないネコちゃんなど、運動が苦手なのではないでしょうか。室内飼いのワンちゃんやネコちゃんは、半数以上が太り過ぎというデータもあります。

動物病院のダイエット外来では、バランスボードやウォータートレッドミルといった運動器具を使った運動のサポートもしてくれます。

ウォータートレッドミルとは、水中（ウォーター）のランニングマシン（トレッドミル）。水の中の浮力で骨格や関節にかかる負荷を軽減しながら、ウォーキングができるとあって、足腰の弱いシニア犬やリハビリでも安心。水が嫌いなネコちゃんには、難しいですが、ワンちゃんなら大丈夫。負担を最小限に抑えて、ウォーキングができます。

また、バランスボードやバランスボールといった足場を不安定にする運動器具を使うと、より効果的に身体を支える筋肉を鍛えることができます。ダイエット外来では、専門のトレーナーが指導してくれるので、効率的にエクササイズが行えます。

食餌と運動でバランスよくダイエット

ワンちゃんやネコちゃんの健康に直結する体重管理。
カロリー減だけに重きを置けば、体調不良を招きかねず、運動重視ではかえって食欲を掻き立ててしまう可能性があるものです。
飼い主さんだけで頑張るには限界があることも多く、専門家の視点と知識が活用できるダイエット外来は心強い味方。
当院でも、効果が見える化でき、安全にゴールに到達できるダイエットプログラムを提供しています。
ワンちゃんネコちゃんの肥満にお困りの方は、ぜひご相談ください。

アニモ動物クリニック