歯周病とは

わんちゃんネコちゃんの歯周病は、ヒトと同じく細菌やカビなど「歯周病菌による感染症」です。間違いなく、かかっている子が最も多い「感染症」なんです。

自分で歯磨きができないペットは、歯石や歯垢が溜まりやすくなります。溜まった歯垢は３～４日で歯石にかわってしまいます。そして、歯垢や歯石で繁殖した歯周病菌が、歯肉炎をおこしてしまいます。症状としては、歯肉が炎症により腫れて痛みが出てきたり、歯の根にも影響を与え、歯が抜けてしまうだけでなく、顎の骨を溶かして頬に穴が開いたり、下顎骨折などを起こすこともあります。

放置すると歯周病菌は血行を介して全身に巡り、口内だけでなく腎臓や心臓にも悪影響を及ぼし、全身疾患の可能性が出てきます。命に関わるような病気になることもあり得ますので、早めに対処することが必要です。

なお、歯周病に気づくポイントとして多いのは、口臭です。わんちゃんネコちゃんの口臭がキツかったり、ご飯の食べ方や好みが変わることで気づくパターンもあるため、日々の様子をしっかりと観察しておきましょう。

さらに、遺伝よりも環境的な要因が大きいです。人が口移しで食べ物を与えたり、歯周病の動物と食器や水の容器を共有することで歯周病菌は感染してしまいます。

また、ダックスなど顔が細くて長い犬種は重症化しやすいと言われていますので、注意しましょう。

歯周病の基本的な治療

歯周病予防のポイント

歯周病予防のポイントは、なんと言っても歯ブラシです。歯ブラシによって表面や歯周ポケットの汚れを直接除去できるほか、歯周ポケットに空気を入れるだけでも細菌の繁殖を防ぐことができるため、効果的です。

また、デンタルガムを噛ませる、ガーゼを使って指で歯を磨いてあげる、デンタルジェルを舐めさせたりすることも効果的です。

当院では、全てのデンタルケアの基本に伝医水をお勧めしています。特殊な機械に置いた水（水の分子に電子を負荷する）は、口腔内の歯垢を洗い流す働きがあり、いつものお水を伝医水に変えてあげるだけでストレスなく口内環境を整えることができます。

最近ではフードに混ぜて唾液の質を改善したり、口内環境を整えてくれるサプリもあるため、うまく活用しながら歯周病予防を行いましょう。

スモールステップで慣らせる

わんちゃんネコちゃんのほとんどは、歯磨きが苦手です。数日、数週間で慣れることはないため、数ヶ月かかると思って地道に取り組んでいくしかありません。

理想的にはわんちゃんネコちゃんが小さな頃から習慣化させることですが、大人になってからでもできないわけではありませんが、本人と飼い主さんが疲れないよう、「長い時間がかかる」という意識を持っておくと良いでしょう。

当院でのデンタルケア