ワンちゃんネコちゃんのデンタルケアは、毎日の歯磨きが理想です。最低でも3日に1度のホームケアが求められますが、「やってはいるが、ちゃんと磨けている気がしない」「奥歯はどうしてもイヤがる」「いつも噛まれて大変」など、お悩みの飼い主さんが多いのが現実です。今回はどうしても歯ブラシをイヤがる愛犬愛猫のため、歯ブラシ以外でできるデンタルケアのサポート用品や使い方をご説明します。

歯ブラシの代用品

始めから歯ブラシを使って、上手にブラッシングができる飼い主さんは、そう多くはありません。
歯ブラシをうまく使えず諦めてしまう前に、できることから始めてみましょう。
歯ブラシの代わりに、飼い主さんの指でできる歯磨きの練習方法をご紹介します。

①綿棒

子犬や子猫など、お口の小さな子なら、綿棒で磨くことから始めてみましょう。
ぬるま湯に浸した綿棒で、歯と歯茎の間をササッとこすっていきます。慣れてきたら、歯の裏側や奥もやさしく磨きます。
子どもの頃から慣らしておけば、歯ブラシへの移行も自然とできるようになるでしょう。

②歯磨きシートやガーゼ

歯磨きシートは様々な種類が販売されていますが、初心者には指サックタイプのものがオススメです。
歯みがきシートをはめた指で、歯や歯茎をやさしくこすっていきます。
ミルクやアップルなどフレーバー付きのタイプは、ワンちゃんネコちゃんがお口に入れてくれやすいので、好みのフレーバーを選びましょう。

ガーゼも歯みがきシートとやり方は同じです。ぬるま湯に浸したガーゼを指に巻き、指の腹で歯と歯茎を磨いていきます。
最初はスープタイプのおやつを少量ガーゼに含ませると、お口に入れやすくなります。

③歯磨きジェル

歯磨きジェルにはチキンやミルク風味などのフレーバー付きの種類が少なくありません。
ほとんどの商品は飲み込んでも害にならない安全な原材料を使用しているので、指に直接つけて、まずは指をなめてもらいましょう。

ワンちゃんネコちゃんが「おいしい匂いがする！」と意味づけしてくれれば、大成功です。
歯磨きジェルをつけた指の腹でやさしく歯磨きをしてください。

デンタルケアのサポート用品

「歯磨きが十分にできていない」「まだ練習中で全部はムリ」「仕事が忙しく毎日はできない」など。デンタルケアに不安を感じている場合は、サポートアイテムの併用も選択肢のひとつです。あくまで補助的に使うことが条件ですが、以下をご参考ください。

①デンタルリンス

歯周病菌の増殖を抑えるなど殺菌効果があり、口腔内の環境バランスを整えてくれるオーラルケア用品です。
使い方は飲み水に入れるだけなので、非常に簡単なのが特徴。同じ効果をうたったスプレータイプのものも販売されています。

②歯磨きガム

ガムの表面にギザギザ型のねじりを入れるなど、噛むことで歯垢（しこう）を落とすデンタルケアが目的のおやつです。
硬過ぎると、歯がしっかりガムに食い込まないため、弾力性の高いタイプを選びましょう。

また、与えるときは上顎の奥にある大きな奥歯にあたるよう、飼い主さんが手に持って食べさせてあげると効果的です。
そのままワンちゃんネコちゃんに与えると、しっかり噛まずに丸呑みしてしまうことがあります。
毎食後や1日1回など、あげる時間を決めて、規定量を与えましょう。

③サプリメント

お口の中の善玉菌を増やし、口腔環境を整えるサプリメントもサポートアイテムのひとつ。
錠剤が苦手な場合は、フードにふりかけるタイプや直接食べるタイプもあります。

④歯磨きトイ

かじって遊ぶことで、歯の表面の歯垢（しこう）を落とすことが目的の歯磨きおもちゃ。
ざっくりした麻縄のロープや細かい突起や凹凸がついた弾力のある天然ゴムなど、噛みやすい素材と歯がしっかりと食い込みやすい形状が特徴です。

唾液が付着して菌が繁殖しやすくなるので、使用後はしっかり水洗いするなど、しっかり衛生管理をしましょう。

ケア用品の活用は獣医師に相談を

ワンちゃんの嗅覚は人間の1000倍、ネコちゃんに至っては人間の数十万倍と言われています。
飲み水に加えるデンタルリンスやフードにかけるサプリメントは、わずかな匂いの変化を警戒して、飲食しない可能性があります。
愛犬愛猫が好むフレーバーを見つけるか、無味無臭のものを選びましょう。

ワンちゃんネコちゃんのデンタルケア用品は、ネット検索でも膨大な種類が出てきます。
当院ではケア用品の活用もご案内いたしますので、「どれがいいのか分からない」という飼い主様は、お気軽にご相談ください。

アニモ動物クリニック