コラム
ワンちゃんのリハビリ 老後編
栄養バランスがとれたドッグフードを食べ、毎日の散歩で適度な運動をしているワンちゃんたち。
ヘルスケアも高度化しているので、必然的に高齢化が進みます。シニア犬の仲間入りをする7歳だと、まだまだ元気…だと思うでしょう。
でも、ワンちゃんの1年は、人間で言えば4〜6年に相当するということは皆さん、ご存知ですよね。
つまり、老化が人間よりも早いスピードで進みます。愛犬が寝たきりにならないためにも、転ばぬ先の杖としてリハビリの知識を学んでいきましょう。
筋力の衰えのサイン
シニア犬とされる年齢になると、運動量も減って必然的に筋肉量が減ってきます。といっても、毎日少しずつ進んでいくので気づかないことも多いのが現実。
そこでワンちゃんの行動や仕草から読み取れる「筋力の衰えのサイン」に気をつけてください。
①歩く時にヨタヨタとふらついているように見える
②起き上がるのに今までより時間がかかっている
③散歩の時に坂道を登るのを嫌がるようになった
④歩道の小さな段差を踏み外したり、こけたりする
⑤階段の上り下りを避けるようになった
こういった徴候が見られるようになったら、ワンちゃんの体つきを確かめてみましょう。
背中が丸まっていたり、お尻が小さくなったり、後ろ脚の太ももが細くなっていたら、筋力が衰えている証拠です。
後ろ脚のケア
ワンちゃんが元気に暮らしていくうえで、いちばん大切なのは後ろ脚の筋力です。後ろ足は身体を支え、歩く時にも推進力を生み出す重要な役割を果たします。
だから、毎日のスキンシップのなかで、マッサージしたりしながら、後ろ脚の様子をしっかり観察しておきましょう。
高齢になると脚を投げ出したり、ドタっと横倒しになって休みがちですが、これは筋力が衰えた徴候。
なるべく後ろ脚を折り曲げて、伏せをするような犬座姿勢をとらせるようにしましょう。
この姿勢だとバランスを取るためにも筋力を使いますし、さっと立てるので運動に移りやすいのが長所です。
加えて、なるべく立っている時間を長くするのも有効な筋力トレーニング。ご飯を食べるときも、なるべく立って食べてもらうようにしましょう。
気分を盛り上げてLet’s walk!
脚のリハビリには、歩くことが一番有効です。でも、家のなかにいれば、飼い主さんがお世話をしてくれて、ご飯ももらえて、何不自由なく暮らせて快適。
ワンちゃん自身、リハビリの必要性を感じていないのは当然です。
結局、歩くかどうかはワンちゃんの気分次第。遊びの要素を取り入れたり、楽しい雰囲気を作ったりして気分を盛り上げていくことが大切。
叱りつけたり、シリアスな空気で迫っていくと嫌がるようになります。飼い主さんが楽しそうであれば、ワンちゃんもうれしいはず。一緒にお散歩を楽しみましょう。
マッサージでスキンシップ
立ったり、歩いたりが難しい場合は、身体を撫でることだけでもリハビリにつながります。
痛がる可能性もあるので、やさしく撫ぜながら、少しずつ力を入れるようにもみほぐしていきましょう。
後ろ足の筋力が衰えると、体のあちこちにしわ寄せがきます。例えば、後ろ足をカバーするために過度の負担がかかる前脚や腰などです。
肩甲骨の周辺の筋肉をほぐしてあげたり、股関節が固まらないように、後ろ脚をストレッチしてあげると効果的です。
ゆっくり体を撫ぜるマッサージは、ワンちゃんにとっても気持ちがいいはずです。
テレビを見ながら軽くマッサージ、おやつをあげながら撫でてあげるなど、短時間でも回数が多いほうが有効。スキンシップをはかりながら、愛犬をケアしてあげてください。
リハビリの頻度はどれくらい
筋力は使わずにいるとどんどん衰えていきます。だから、出来る限り毎日少しずつやっていくのがリハビリの基本です。
立ったり、歩いたりといったリハビリの前に、ウォーミングアップとしてマッサージを行いましょう。ご飯タイムと組み合わせたリハビリで、ワンちゃんのやる気を引き出すなど、愛犬の個性に合わせた方法を続けてください。
当院では、ワンちゃんの個性や体格に合わせて、マッサージのやり方のアドバイスもしています。
リハビリ認証トレーナーも在籍していますので、ご活用ください。
アニモ動物クリニック
「生涯を通じて、動物たちとご家族に寄り添う病院」を目指し、治療はもとより、健康診断や疾患予防、ダイエットやリハビリ、老後の介護などトータルでサポート。去勢・避妊手術も事前診察から経過観察まで、体の状態を丁寧に確認しながらケアいたします。
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